株式会社履修データセンター、8割以上の学生が面接エピソードを脚色してしまっている実態を調査―新卒採用における透明性の課題を浮き彫りに
AIニュースの要約
- 株式会社履修データセンターが2025年卒業予定の大学生約600名を対象に調査を実施。
- 調査結果によると、8割以上の学生が面接でエピソードを脚色しているという実態が明らかに。
- 学生の48%が「8割以上」の脚色があると認識し、72%が「6~7割」と答えた。
- 採用担当者の60%が脚色に気付いているが、40%は気付いていない。
- エピソードの脚色内容は事実の誇張や他者の成果の自己言及が含まれ、生成AIを利用する学生も増加している。
AIニュースの背景(推測)
近年の新卒採用市場は競争が激化しており、多くの学生が限られた経験やスキルをアピールする必要があります。その結果、学生たちはより良い印象を与えるためにエピソードを脚色しがちであり、特に面接時には他の応募者との差別化が求められます。さらに、SNSやインターネットの普及により、他者との比較が容易になったことで、生まれるプレッシャーも影響していると考えられます。また、生成AIの普及に伴い、より高度な脚色が可能になり、学生がこれを活用している状況が背景にあると推測されます。
AIニュースの内容(詳細)
株式会社履修データセンターは、2025年卒業予定の大学生約600名を対象に、就職活動におけるエピソードの脚色状況を調査しました。調査結果によると、学生の48%が「8割以上の学生が脚色している」と認識しており、さらに「6~7割」と答えた学生を合せると、72%に達しました。この結果から、エピソードの脚色が非常に一般的であることが浮き彫りにされています。
また、採用担当者を対象とした別の調査では、6割が学生のエピソードの脚色に気付き、4割は気付いていないとの結果が得られました。このことから、脚色されたエピソードが採用決定に影響を与える可能性が示唆されています。エピソードの脚色には、サークル活動の成果を過大に表現したり、他者の功績を自分のものとして語る傾向が見られ、部分的な真実を誇張する形となっています。
さらに、最近では生成AIを利用してエピソードを作成する学生も増加しており、これによって脚色の精巧さが増しているという実態が確認されています。これに対処するためには、企業側で採用プロセスの見直しが必要であり、面接時の評価項目の再検討が求められています。
ビジネスで活用する方法・可能性
この調査結果は、企業の新卒採用プロセスにおいて、透明性と信頼性を向上させるための新しいアプローチが必要であることを示唆しています。以下のような方法でビジネスに活用できる可能性があります。
-
採用プロセスの透明性向上: 脚色に対する企業の対応を明確にし、学生に向けて正直なエピソードの重要性を伝えることで、透明な採用プロセスを構築することが重要です。ウェブサイトや資料で、企業の採用基準や評価ポイントを明記し、候補者に理解を促すことができます。
-
面接評価項目の見直し: エピソードの脚色に依存しない評価基準を設けることで、より実質的な能力や人間性を重視した選考が可能になります。具体的には、行動基準面接(STAR法など)を採用し、実際の行動や経験に基づいた質問を行うことで、客観的な評価を行うことができます。
-
新たなテクノロジーの導入: AIを活用した選考支援ツールやアセスメントツールを導入し、学生の能力や適性をより客観的に測る手法を取り入れることで、脚色のリスクを軽減することができます。これにより、候補者の真のポテンシャルを引き出し、企業の求める人材像に合った人材を見極めることが可能になります。
-
教育プログラムの実施: 学生向けにエピソード作成に関するワークショップやセミナーを開催し、正直な自己表現の重要性や効果的なアピール方法を教えることで、より適切な職務適合性のある学生を育てる支援ができます。
-
フォローアップの強化: 採用後に新入社員とのコミュニケーションを強化し、入社後の適応度や働きかけを確認することで、採用した人材が企業文化にフィットしているかを評価し、必要に応じた調整を行うことが可能です。
このようなアプローチを通じて、企業はより透明で信頼性の高い採用プロセスを構築し、適正な人材を確保することができるでしょう。
株式会社履修データセンター、8割以上の学生が面接エピソードを脚色してしまっている実態を調査―新卒採用における透明性の課題を浮き彫りに新卒採用における学生の脚色傾向と企業の課題を発表株式会社履修データセンター2024年10月16日 10時30分0
大学生に履修データを提出させ、企業に送信させるシステム『履修履歴データベース』を運営する株式会社履修データセンター(東京都港区、代表取締役:辻太一朗)は、履修履歴データベースに登録している2025年卒業予定の大学生約600名を対象に、学業および就職活動に関する調査を実施し、その結果を発表しました。本調査により、新卒採用の面接において、学生の8割以上がエピソードを脚色してしまっている実態が明らかになり、採用プロセスの透明性に関する課題が浮き彫りになりました。調査概要と主な結果
調査では、就職活動において学生がどの程度エピソードを脚色していると認識しているかを尋ねたところ、約半数に当たる48%の学生が「8割以上の学生が脚色している」と回答しました。「6~7割」と答えた学生と合わせると、72%にも達しています。また、特に「8~9割」と答えた学生の割合は38%と、全体の1/3に達しています。(図1)さらに、就職ジャーナルが実施した採用担当者に対する調査※1では、6割の採用担当者が「エピソードの脚色に気付いている」と回答しましたが、4割の採用担当者は脚色に気付いていないという結果が出ています。これにより、脚色されたエピソードが採用決定に影響を与えている可能性が示されています。
※1:就職ジャーナル,【2024年版】就活で「嘘・盛った話」はアリ?採用担当者300人の本音アンケート(2024年10月15日)
(https://journal.rikunabi.com/p/advice/25761.html)エピソード脚色の傾向と課題
出典 PR TIMES