音声文字起こしと生成AIを活用した自動要約アプリケーション「VOCSS(ボックス)」を開発

AIニュースの要約

  • SBI生命保険株式会社が音声文字起こしと生成AIを活用した自動要約アプリ「VOCSS」を開発。
  • VOCSSは社内業務に導入され、従来の通話記録の文字起こし作業を効率化。
  • アプリは Amazon BedrockのClaude 3.5 Sonnetを使用して要約機能を提供。
  • 自動文字起こし、要約のテンプレート設定、文字数制約、個人情報のマスキング機能を備えた。
  • 今後、VOCSSの機能を拡張し、業務効率化と顧客サービスの改善を目指す。

AIニュースの背景(推測)

SBI生命は、保険業界における顧客対応を効率化するために、AI技術への投資を進めています。顧客対応業務は高い労働コストを伴うため、自動化のニーズが高まり、業務プロセスの見直しが必要とされていました。このような背景から、VOCSSの開発に至ったと考えられます。また、近年のデジタル化の進展に伴い、音声データの活用が増加していることもアプリケーション開発の一因であると推測されます。特に、顧客との通話内容を効率的に処理し、迅速に要約を行うことは競争上の優位性をもたらすため、重要です。

AIニュースの内容(詳細)

VOCSS(Voice of Customer Scribe Support)は、音声データを自動的に文字に起こす機能と、生成AIによってその内容を要約する機能を組み合わせたアプリケーションです。具体的には、音声ファイルをアップロードすることで、自動的にその内容が文字に変換されます。その後、AIが指定されたフォーマットに従って内容を要約するため、業務担当者は通話の要点を迅速に把握することができます。また、このアプリケーションには文字数制約を設定できる機能もあり、要約の長さを200文字から2000文字の範囲内で調整できます。

さらに、マスキング機能を搭載しており、個人情報や機密性の高い情報を自動的に隠ぺいすることも可能です。これにより、プライバシーへの配慮を持ちながら業務を進めることができます。加えて、VOCSSの開発はアジャイル手法によって行われ、短期間でのシステム開発が実現しました。これにより、迅速なテストと改善が行われ、導入のタイミングを早めることができたと考えられます。

ビジネスで活用する方法・可能性

VOCSSの導入は、主に保険業界や金融サービス業に留まらず、さまざまなビジネスシーンでの活用が考えられます。まず、顧客対応や営業活動において、通話内容を迅速に把握することで、問題解決や改善点を即座に反映することが可能です。特に顧客サポートセンターや営業部門では、頻繁に発生するクレーム対応や顧客の要望に迅速に応えるため、VOCSSを活用することで業務全体の効率が向上します。

また、会議やインタビューの記録を自動的に文字起こしし、要約することで、後での振り返りや議事録作成の手間を省けます。これにより、チーム内の情報共有がスムーズになり、意思決定が迅速化される可能性があります。

さらに、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を進める中で、データの集約・分析に役立ちます。VOCSSによって取得された音声データや要約情報は、顧客のニーズやトレンドを把握するための貴重な資産となるでしょう。企業はこの情報を基に、マーケティング戦略やサービス改善を図ることができます。

最後に、今後の機能拡張により、他のAI機能との統合や、特定のビジネスニーズに対応したカスタマイズが進むことで、さらに多様な業務に応じた使い方が可能になるでしょう。従って、VOCSSは単なる自動要約アプリとしてだけではなく、持続的な競争優位性を創出するための重要なツールとなる可能性があるのです。

音声文字起こしと生成AIを活用した自動要約アプリケーション「VOCSS(ボックス)」を開発SBIインシュアランスグループ2024年10月7日 10時00分0SBI生命保険株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:篠原秀典、以下「SBI生命」)は、自動文字起こしと生成AIによる自動要約の機能を搭載したアプリケーション「VOCSS(Voice of Customer Scribe Support)」を自社開発し、社内業務へ導入したことをお知らせいたします。

■背景
SBI生命は、従来のお客さま対応業務において、人手による通話記録からの文字起こしと要約を行う作業が非常に時間と労力を要していることを課題として認識していました。VOCSSを社内業務に導入することで、効率的な自動要約、確認と修正作業ができるため、これまでの人手による作業に比べて大幅な業務効率化を実現しました。

■システムの概要
VOCSSは、音声からの自動文字起こし機能と、アマゾン ウェブ サービス(AWS)のAmazon Bedrockで生成AIモデルのClaude 3.5 Sonnet※1による要約機能を搭載し、レポート出力までをワンストップで実行するアプリケーションです。アジャイル開発※2の手法により、設計・開発・テストを約1カ月で完了しました。

【主な特長】
自動文字起こし機能音声ファイルから自動で文字起こしをします。
要約機能要約用プロンプトのテンプレートに例えば「概要、原因、対応、詳細」といった項目を指定して要約することができます。
文字数制約機能指定した文字数(200~2000文字)を目安として要約することができます。
マスキングAI機能個人情報などマスキングしたい項目をメニュー選択するとAIによりマスキングされた形で要約することができます。
【VOCSSの画面】
VOCSSの画面
【システム構成

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出典 PR TIMES